旅行グルメ同好会 南国土佐の旅 報告

旅行記 (昭51 経)阿部武司
スケッチ (昭32 工)渋谷寧伸

 


 5 月23(日)から26 日(木)まで関西東大会「旅行グルメ同好会」の15 人が「南国土佐の旅」を楽しんだ。一行は、初日の昼過ぎにJR 高知駅の近くのバス・ターミナルに集合し、以後、最後までお世話になる貸切バスに乗って、「はりまや橋」をはじめ高知の中心地の繁華街を眺め、悠々と流れる鏡川を越えてほどなく桂浜に到着し、1928 年に建てられた有名な坂本龍馬の銅像の近くで、まず一休みした。台と像をあわせて13 メートルという高さであるため、下から龍馬の姿がよく見えない嫌いがあるが、これを解決するため像の隣に設けられた特別展望台には、開設期間外であったため残念ながら登れなかった。桂浜では天気が良く眺めも素晴らしかったが、少々暑くて風が強かったこともあって散策は30分ほどで切り上げて、その後、背後の丘の上にある坂本龍馬記念館を訪問した。龍馬の手紙などが大変わかりやすく展示されており、同館の屋上からの眺めも素晴らしかった。
桂浜を離れたのち、バスは浦戸大橋を渡って、内陸に深く入り込んだ浦戸湾の東岸を北上し、奈良時代の名僧行基が、中国の同じ名前の山にあやかって命名したという五台山を登った。この山にある四国八十八カ所の31 番札所の竹林寺や高知県出身の牧野富太郎博士を記念した牧野植物園を訪ねる時間はなかったが、同山の展望台から眺めた浦戸湾と高知市内の光景は見事であった。


 五台山を離れて高知市内に戻り、ホテル三翠園に夕刻到着した。土佐藩主山内家の下屋敷跡に建てられという立派なホテルで、塀の一部は国の重要文化財に指定されている長屋の建物であり、後で見学したところ、幕末の武士の生活がしのばれる一種の博物館であった。ホテルの日本庭園も立派なものであり、近くには鏡川がゆったりと流れ、山内家を祭った山内神社もあった。食事は美味しく、1000 メートル以上を掘って湧き出したという温泉も快適だった。


 2 日目の天気はまずまずというところだった。8 時30 分に三翠園前で集合写真を撮ったあと出発し、高知市東北東約20km 余りにある龍河洞に1 時間弱で到着した。岩手県の龍泉洞、山口県の秋芳洞と並んで日本三大鍾乳洞の1 つに数えられる名所だけあって内部は不思議な光景の連続で、出口近くで見られる、鍾乳石に覆われた弥生式土器も面白かった。
約1 時間、薄暗い中を起伏に富むコースを歩き通すことは大仕事ながら、なかなか得難い貴重な体験であった。入口近くのオナガドリなど珍しい鳥を集めた珍鳥センターも見学できた。


 その後、バスは海岸方面に南下し、海水浴場である夜須の県立公園ヤ・シィパークに立ち寄ったあと、窓から見える海の光景が美しい土佐ロイヤルホテルで昼食となった。このホテルは、阪神タイガースが春と秋にキャンプする安芸市営球場からそう遠くなく、また近くに男女プロのツアー競技が行われる2 つのゴルフコースがあるため、シーズンには利用者が多いとのことだったが、当日は私たち以外のお客さんは見当たらなかった。


 午後2 時過ぎには高知市内に戻り、高知城の前で記念撮影をしたのち、夕食まで自由行動となった。高知城に登った人、高知県立文学館を訪ねた人、「ひろめ市場」や帯屋町アーケード商店街でショッピング等をした人等々、皆さんそれぞれ有意義な一時を過ごしていた。 夕食は連泊した三翠園で土佐名物の皿鉢(さわち)料理を堪能した。大皿に鰹のたたきその他の刺身、野菜を使った田舎寿司、揚げ物などを豪快に盛った大変美しいもので、ついつい食べ過ぎてしまった。


 天候が少し怪しくなってきた3日目の朝、9時に足摺岬までの長距離の移動を開始した。予定では昼前に黒潮町の入野松原の松林や砂浜を散策することになっていたが、雨脚が強くなってきたためバスから見るだけにして、その近くのホテル、ネストウエストガーデン土佐で、そろそろ生鰹にも飽きてきた頃だろうという幹事の配慮もあって、昼食は美味しいイタリア料理を味わった。


 その後四万十川を渡って土佐清水市に入り、竜串の足摺海底館に行き、海面下7mの海の底の景色を眺めた。風雨のためか浅い海底の水の流れは結構激しかったが、餌が与えられる時などにたくさんの魚が窓の近くに集まるところを見ることができた。風雨が次第に強まるなか、同じく土佐清水市にあるジョン万次郎資料館も見学することになった。万次郎はこの近くの中浜の貧しい漁師の子で、14 歳の時に仲間と漁に出て遭難、漂流し、鳥島で143 日間の過酷な無人島生活の後、米国の捕鯨船に救助され、米国東海岸で教育を受けた後に幕末の日本に帰国し、幕末から明治の日本に貢献した奇跡の人物である。資料館でアメリカ風のしゃれた展示を見ていて、ジョン万次郎こと中浜万次郎が明治期に東大の前身開成学校の教授を務めていたことも知った。


 夕刻、四国最南端のホテル足摺テルメに到着した。団紀彦氏(作曲家団伊玖磨氏の子息。東大工学部卒)の設計と聞いた瀟洒なホテルで、都会では滅多に味わえない清水サバの刺身など美味しい食事と温泉でくつろげた。食後には有志でカラオケも楽しんだ。


 最終日の朝8 時30 分、昨日よりも激しい風雨の中、宿を発つと間もなく足摺岬に到着した。晴れていれば絶景を見ることができたのであろうが、あいにくの悪天候のなか、展望台まで皆で頑張ってたどり着いたものの、集合写真も撮れないまま、岬の灯台を眺めるだけでバスに戻らざるをえなかった。田宮虎彦の名作「足摺岬」では、自殺を決意して足摺岬を訪れた東大生が、激しい風雨の連続のために目的を果たせず、その近くの旅館に長逗留するうちに、宿の家族やそこに泊まる人々の善意によって立ち直っていく様が描かれている。作者も東大卒であり、関西東大会が来るというので、天がわざわざこのような天候を演出してくれたのかも知れない。


 雨で冷えた体も四万十市のウナギ料理店「花ぜん」の絶品の蒲焼を食べ終わった頃にはすっかり温たまった。一部の方々は中村駅から列車で帰られたが、残りのメンバーは降り続ける雨の中をJR 高知駅までバスで戻って解散し、3 泊4 日の「南国土佐の旅」は終わった。


 末筆ながら今回の旅を企画して下さった岡良和様(昭34 薬)・芙三子様ご夫妻はお二人とも高知県ご出身で、参加者がつい見逃がしてしまいそうな名所旧跡や美味しい食べ物などについてまで細やかにご配慮下さり、お陰様で参加者一同大変楽しく旅を過ごすことができた。記して厚く御礼申し上げたい。

 

 

桂浜

 

 

三翠園

 

 

高知城下

 

 

 

 

 

 

 

 

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